カリフォルニアワインの優越

カリフォルニアワインの優越!

 

色々な人からプロとしてよく聞かれるのは、<ゆきさんの一番好きなワインは何ですか?>という質問。ワインを知れば知るほど、一番難しいのがこの答えです。

 

ニューヨークで30年以上ワインを飲み続けて育った?私は、ワインに関して言えば、米語で言うところの<Continental taste> 即ち<ヨーロッパ好み>です。これは、地理的にも文化的にもヨーロッパに近く、国内流通の限られたカリフォルニアワインよりも、ヨーロッパ物が安く手に入るという事情もあります。

 

 

また、金融業界出身の私は、 ミッシェランの星付きフレンチやイタリアンレストランで頻繁に接待する機会が多かったので、ワインも必然的にヨーロッパ物を開けるというのが、定番でした。まだ、NYもバブっていましたしね。

 

しかしながら、アメリカに住んでいながら、国内産の素晴らしいワインを楽しまない手はありませんよね。ということで、限られていたとはいえ、NYで手に入る素晴らしいカリフォルニアワインに惹かれ、毎年わざわざナパバレー通いをしては、地元限定版のワインをどさっ!とNYの自宅に宅配し、友人を招いて試飲会を楽しんでいましたね。

 

という訳で、私はフランス、イタリア、スペインの、食事と一緒に頂くためのワインが好きです。でも、カクテルとしても楽しめるどっしりしてデリシャスなカリフォルニアワインは絶対捨てがたい。

 

とはいえ、近年とみに感じるのは、ボルドー、ブルゴーニュなどフランスワインの異常な値段の高騰(何故?と思うでしょう。後日の記事で説明しますね)、ワインの質のブレ、そして 、飲める状態になるまで長〜い間待つ不便さ(昨夜なんて、デキャンタ <*注1>して5時間も待って、やっと飲めたフランスワインに苛つきましたね)。これって、いくらなんでも時代遅れじゃないかしら?

 

翻って、アメリカ産のワインの多くが、未だに<口当たりが良くフルーティー>式の、万人受けするイージーでレイジーな<カクテルワイン>に留まり、一部の超優良ワインとの差は広がるばかり….. 折角ヨーロッパに比肩するテロワール (ワインに不可欠な土壌や環境)がありながら、勿体ない!と思っていたのでした。

 

ところが!です。有ったんです。理想のワイン達が!

 

それは、数年前に世界的なワイン地域に住むために、サンフランシスコに引っ越してきたところから、始まります。以来、毎週ナパは勿論、素晴らしいワイナリーが林立するソノマ、新興の優良ワイナリーが立ち並ぶモンテレーやパソロブレスに通い続けて、発見、目撃して来たいわばカリフォルニアのワイン再革命。

 

一言で言えば、フランスを始めとするヨーロッパと、カリフォルニアの双方の最高の部分だけをとった<いいとこ取りワイン>が、静かにそしてかなりの範囲で作られているという事実。

 

そしてそういう最高のカリフォルニアワインを、ご紹介する為に、これからシリーズでお届けします。題して<カリフォルニアワインの優越!>

 

カリフォルニアには、そしてアメリカには、如何に素晴らしいワインメーカーがひしめいており、彼らがどんなにすごいワインを作っているのか。インタアビュー、そして試飲を通して、一緒に体験していきましょう。きっと、カリフォルニアワインのすごさが、分かって頂けると思いますよ。

 

 

<注1>  デカンタというのは、ワインを瓶から、別の空の瓶(デカンターというワイン専用の瓶です)に移すことを言います。年季の入った古いワインの澱を取り除く為に、或は若くてタニンのきつい渋いワインや、冬眠状態に入っている固いワインを飲みやすくする為に、行います。詳しくは、私の連載シリーズ<ワインの作法> ワインのおいしい飲み方で、追ってお説明致します。

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
1 返信
  1. Ron Shimada
    Ron Shimada says:

    ゆきお姉さまの、超弩級爆撃機か、はたまたスーパーコンピューターのような、的確で精密且つ過激で説得力あるワイン解説を楽しく読ませて頂いています。その源泉はきっと尽きることのない真理を愛する探求心と誰にも負けない精神力にあるのでしょう。これからも楽しみにしています。

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