ワインをおいしくする飲み方 その1

ワインのおいしい飲み方  その1

 

これじゃあ、寒すぎる!これじゃあ、でかすぎる! と、折角のワインが泣いていませんか?なんのことかって?それは、ワインの温度と、注ぐグラスのこと。

 

冷暖房が行き渡った近年、ワインを冷やし過ぎる傾向がレストランでも、ご家庭でも、指摘されています。冷やした方がおいしく頂けるワインもあれば、室温で飲んだ方がぐっと味わい深くなるワインもあります。赤でも多少冷やした方が、口当たりが良くなる物、白でも室温が好ましいものあるんですよ。

 

あとは、グラスですね〜。折角の美酒を、洗剤や食器棚のにおいが残ったグラスで飲んだら、だいなし!ましてや、シャンパンをこんなグラスに注いでしまったら、折角何年もかけて瓶の中で育てた泡が、へそを曲げてしまいます。

 

それと、皆さん、グラスの形と大きさに鷹揚ですが、全く同じワインを2〜3種類の大きさと形の違うグラスに注いで、試飲してみて下さい。全く、別ものになるでしょう!

 

かくいう私も、或る試飲会でフランスはブルゴーニュの若くも美しい(ブルゴーニュのワインは、ご存知のように熟女になると美しくなるタイプなのですが、このワインは若くても、十分飲み頃なのでした)ピノノワールに出会いました。

 

私たちプロは、試飲会ではワインを飲み込みません。何十、何百というワインを飲んでいたら、アルコールが脳に廻って、正常な判断が下せませんし、ましてや車社会のアメリカでは、飲酒運転になってしまいますものね。

 

とはいっても、相当な美酒に出会うと、こっそり、ちょっとだけ、吐き出し際にごっくんします。このワインはそんなワインでした。さて、試飲会の終了後に、ラッキーなことに、この残りの口の開いたワインを頂いたのです。うふふ。

 

でもこの日は夏の真っ盛り。自宅まで車で1時間。家に飛ぶようにして帰って、とりあえず冷蔵庫にいれ、夕方帰宅後取り出して、室温に戻し、意気揚々と正しいブルゴーニュグラス(グラスの種類に着いては、後日ゆっくりご説明しますね)についで、<いっただっきま〜す>と、念願のごっくん!

 

ところが、ん?  変だ! いや、違う。全然違う。何これ?本当にあのワイン!!!

 

確かにあの白いはかなげな花の香りや、しっかりとしたミネラルの風味は残っている物の、口の中で踊るように膨らんでいた赤いベリーの味わいが、眠ってしまっているのです。ラズベリーもレッドチェリーも、まるで<もう劇は終わり>と言っているかのように、また居眠りを始めてしまいました。

 

その時、悟りましたね。あ〜〜。いくら短時間でも冷蔵庫なんかにいれとくんじゃ、なかった!せめて、クーラーをつけっぱなしの部屋に、置いておくべきだった。

 

さもなくば、小振りのグラスにそっと大事にいれて、飲んでいれば、、、、 いやいや、そもそもこんなデリケートなワイン、半日も待たずに、さっさと飲んでいれば良かったのにい!!

 

もし私がワインを知らなければ、或はこの素晴らしいワインを正しいあり方で、数時間前に飲んでいなかったら、、、、、、  きっと高い割に大したことないワイン!と思ったことでしょう。

 

ですから、皆さんも要注意。次回から、もう少し詳しく、おいしいワインの頂き方を説明していきますので、一緒に学んでいきましょうね〜。

 

PS コメント

ちなみに、先日行きつけのレストランで同席した方が、赤ワインのボトル(ケンゾー エステートのボルドーブレンド)を持ち込んで、飲んでいらっしゃいました。私も大変優良なワイン(キスラーの会員限定版のシャルドネと、これもまたレア品のブランキィエ エステートの自信作 レッドボルドーブレンド 4月にこのサイトで、ご紹介します)を2本持ち込み、一番おいしくなるタイミングでデキャンタしながら、楽しんでいました。隣同士でお互いにワインを勧めて、一口頂いたところ、このかたのワインがまだ固くて(既に1/3のんでいらっしゃったにも拘らず)、味わいが半減していたので、ちょっと失礼して簡単に何回か速攻でデキャンタし、グラスも大振りのものに換えて、差し上げたところ、タニンの角がとれ、ワインの深みがまして、飲みやすくなったと大変喜び、<プロの技!>と感心して下さいました。それがそのときの写真。皆さんも、持ち込みワインのタイミングに気をつけて下さいね。

 

 

 

 

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
4 返信
  1. shuppon
    shuppon says:

    長年ワインを飲んできたものの、年を重ねてようやく良いワインをゆっくり味わいたいと思うようになりました。Yuki Saitoさんのコメントは洒脱でとても読みやすくかつ内容もあって面白く拝見しました。

    返信
    • yukisaito
      yukisaito says:

      いえいえ、それでもオッケーですよ。ただ、シャンパーニュもワインも、質と種類に依って、大きさや形を変えると、よりおいしく頂けることも多々あります。が、基本的には、好きなワインをお気に入りのグラスで(ただし、お湯で洗って、きっちり乾かして下さい)飲むというのも、悪くありませんね。

      返信
  2. たまえ
    たまえ says:

    ワインを飲みたくなるような、記事ですね。ちなみに、私はまるっきり飲めませんが…。
    元気そうでなによりです。東京は今さくらが、満開です。
    日本に来たら、会いましょう!

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