By / 25th 4月, 2012 / ワインの作法 / No Comments

ワインのおいしい飲み方  その2  温度が味を大きく変えます

 

レストランに行って、ワインなど色々なお酒をオーダーしますが、出てくるたびにがっかりするのはその温度。

 

サンフラン市内のミッシェラン星付きレストランで、地元ナパのスパークリングワインを頼んだところ、なんと殆ど室温のままテーブルに持って来て、サーブを始める図々しさ。直ぐにそのソムリエを叱りつけ、違う物を持ってこさせたところ、今度はキンキンに冷えすぎたシャンパーニュを 注ぐ始末。これでは、長い時間をかけて作り出したデリケートな泡や、折角の風味が、だいなしです。このレストランのソムリエをブラックリストに載せたのは、言うまでもありませんが、とっても大切な出足のシャンパーニュでつまづくなんて、『ミッシェランの目は節穴か!』と嘆いた物です。

 

もっとも、これは極端な例ですが、こんなこともありました。場所はナパの町中に或る「某鉄人のレストラン」。日本から来ていたゴルフ友達数人と夕食を頼み、皆で日本酒をオーダー。ところがメニューには、日本酒の銘柄が記載されておらず、そのレストランの名前を冠したお酒のみ。早速ウェイター(何故か、ソムリエが居ない)を呼んで、銘柄を聞いたところ言えないとのこと。

 

皆で、「あっ、そう。じゃあとりあえず、冷酒で飲んでみるからサンプル持って来て」と頼み、酒好きの4人が試飲したところ、「あっ、これXX(大手の銘柄)の純米吟醸じゃない。オッケー、これ頂戴」と納得して、一本オーダーしました。

 

ところがそのボトルから飲んだお酒は、試飲した物とはどうしても同じとは思えない味。4人が4人、全く同じ感想を持ったので、早速ウェイターを呼び、「これ本当に同じ物?じゃあ、さっき試飲したボトルも持って来て」とお願いして、2つ並べて飲んでみると……. おやおや、やはり味が違う。そして、よくよく飲み比べてみると温度が違うのです。

 

最初のボトルはかなり冷たい冷酒。頼んだボトルはほぼ室温に近い冷酒。ワインでは、こういう体験は多々ありますが、日本酒でこういう極端な体験は始めてだっただけに、良い勉強になりました。

 

そして、昨夜のこと。行きつけの寿司屋の店主がお勧めする日本酒を飲んでみると、なかなか味わい深く、しっとりとして、しかも切れがあり、私好み。早速おかわりを頼んで一口味わったところ、ん? すぐにご亭主に「ねえ、これ同じお酒?味が違うなあ。さっきの一杯目のしっとり感がなくて、これは切れ味ばかり感じるけど?」って言ったら、ご主人曰く。

 

「ゆきさん、流石!実はさっきのは瓶に残った、最後の濃いのを注いで、ちょっと足りないから新しく開けた瓶から継ぎ足したの。やっぱり味が分かる人だね〜」ですと。

 

なんか長々、ワインに関係ないことを書いてるって? うふふ。「シャンパーニュ」と、「日本酒」の部分を「ワイン」に置き替えて、読んでみて下さいませ。「ビール」と置き換えても良いかも….

 

 

要は、アルコール飲料は温度に依って、味が相当変わってしまうということを、納得(がってん!)して頂けましたでしょうか?その中でも、ワインは温度にかなり、影響されます。一度、同じワインを (1)かなり冷やして、(2)そこそこ冷やして、そして(3)室温で飲んでみて下さい。

 

ワインも、ビールなんかと一緒で、安くて大しておいしくないものは、『白であれば』かなり冷やして、『赤であれば』少し冷やして飲むと、おいしく感じますよ。

 

逆に、素晴らしい白は、殆ど室温で飲んで頂きたいですね。赤は、勿論のことですが。

 

皆さんからの、ご感想をお待ちしています。前回のグラスのサイズと同様、是非、お試し下さい。

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。

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