2千ドルのロマネコンティ晩餐会(その3)

さて、小一時間のシャンパーニュ サービスが終わり、ぞろぞろとレストランに入ると、大テーブルが2つしつらえてあります。私の興味は、この上客ひしめくゲストリストを、レストランがどうさばくか?というところ。これだけのお金をポンと払って、夕飯を食べにくる方々なので、席順はレストランが大変気を使う(べき)ポイントだからです。常連やクリティック(評論家)のご機嫌を損ねる訳にはいきませんからね。

などと考えながら、自分の席を探してみると… 。  なんと、シーラが言った通り、彼女と同じテーブルに同席というだけではなく、かなり(というか、最高の)上席。つまり、私の斜め向かいにDRC (ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)のオーナー、ヴィレーヌ氏が座っておられ、私の右隣はというと、マスターソムリエのアンドレアロビンソン女史ご夫妻。シーラ達は、私のお向かいです。同じ興味を共有するアンドレア女史とは、お陰で食事中、ず〜っとワイン談義が弾んだのでした。

さて、突き出しとシャンパーニュの後は、リレ・エ・シャトーのマスターシェフ(Joachim Splichal氏)自らの手によるシーフードの前菜。地場モンテレーで採れたびちびちのエビに、人参のムース、マイヤーレモンとセロリーのサラダを添えた一品。それに添えるワインは、DRCヴィレーヌご夫妻(奥様はアメリカ人)と、奥様の従兄弟が共同経営するナパのワイナリー、ハイド・デ・ヴィレーヌのシャルドネ。これは始めて飲む銘柄でしたが、なかなかの美酒で、 ナパのシャルドネというより、例えば秀逸なソノマのヘンゼル ワイナリーの長期熟成型シャルドネに似た、アメリカ産でありながら、ブルゴーニュ仕様のワインといった趣。隣に座るマスターソムリエのアンドレア女史に、私の感想を伝えると『分かるわ、確かにその趣がある』と同意してくれました。(写真はその時の料理とワインを前に、微笑むアンドレア マスターソムリエ)

こういう晩餐会の定番で、料理とワインが同時にサーブされる度に、まず料理を担当したシェフが 素材や調理法の説明をし、次にワイナリーのオーナーが、ワインについて説明します。その間 私たち賓客は、食と飲み物のマリアージュを味わうという趣向になっています。そして彼らが席に戻ったら、更にそのワインに付いての質問をするというチャンスも設定されていました。

私の興味は当然、ムッシュ ヴィレーヌから受けるワインの説明で、氏によるとこのハイドのシャルドネは、ナパというアメリカ最高のテロワールで、ブルゴーニュの最上のノウハウを駆使して作った『アメリカのワイン』とのこと。まだ新しいワイナリーで、最初のヴィンテージは2002年。ブドウの木も未だ若く、既にこれだけの質を作れるので、将来的に(ブドウの木が熟成してきたら)更に質の向上が期待出来るとのことです。

確かに、アローマはカーネイロから採れるシャルドネ特有の濃厚さというよりは、ホワイトブルガンディーの仄かさと、カーネイロの力強さの中間といった風情。そして味わいは、いかにもフランスのワインメーカーが手がけたカリフォルニアのシャルドネといった趣で、品の良い重みと、アプリコット、洋梨そして切れのあるスパイスがふんわりと調和した感じとでもいいましょうか。

ちなみに、日本の皆さんにもこのワインを紹介する機会があるかと思い、既にワイナリーの後日訪問を予定しております。

さて、晩餐会もそろそろ佳境に入り、次の料理にはいよいよロマネコンティ社のエシェゾが登場します。

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です