ワインのこと、ちょっと知りたい… ? その1

 

私のブログやコラム、また地場の新聞に連載している記事を読んで下さる読者の方から、色々なフィードバックを頂いています。

中でも、嬉しいのは、「私はワイン(お酒)が全然 飲めないけれど、コラムが面白いから愛読しています!」という反応。

 プロ指向の学生相手にレクチャーすることも楽しいですが、全くの素人さんや、ワインにあまり興味の無いという人に、楽しく読んで頂き、自然とワインの知識が身に付いたら …..こんなに嬉しいことはありません。

 ということで、読者さんのご要望にお答えして、ワイン入門(みたいな)シリーズをお届けしますね。分かりにくいところ、面白くないところがあれば、どんどんブログって下さい。

 逆に、物足りない、もっと突っ込んで欲しいという向きには、高度で詳細な知識をお届けします。実際、そちらの方は、ベースがカヴァーされている分、教える側としては 楽ですから、ご遠慮せずに!

 さてさて、或る方から「赤ワイン」って何?から、説明して欲しいという要請がありました。よござんしょう。では、まずワインの種類から。

 まず、白ブドウ(シャルドネ、リースリングなど)から作る「白ワイン」、黒ブドウ(カベルネ、メルローなど)から作る「赤ワイン」に、黒ブドウ(同じく)から作る「ロゼ = ピンクワイン」の三種類があります。

 ちなみに、ロゼは白ワインと赤ワインを混ぜる訳ではありませんよ。これが、許されているのは世界広しと言えども、シャンパーニュだけなのです。ロゼとシャンパーニュについては、後日の記事で、別途お話しましょう。

 さて、ブドウからワインを作るには、いくつかの条件が必要となります。おっと、ここがついテクニカルになりがち。なので、たとえ話で行きましょう

 ここに良人君(良いひと、っていうか、東北弁っぽく「いいすと」となまって、発音して下さい。即ち『イースト菌』の別名と思ってね)を登場させます。彼の大好物は二つ。あったかいお風呂に浸かって、甘いものを食べること。しかも一石二鳥に、ブドウジュースを暖めて、お風呂にして入るの。そして、甘いお風呂のお湯を、ごくごくの飲みながら、暖まります。まあ、何と贅沢な!

 でも、彼は特異体質で、ジュース風呂の甘味(つまりは糖分)をとると、アルコールの汗を流し、二酸化炭素の息を吐き出します。こんなことをずっとしてるから、ブドウジュースだったお風呂がアルコール飲料に代わり、空気中には二酸化炭素が充満して、良人君はそのうちに、「ころり」と死んでしまいます。おお。

 以上のお話を、訳しますと、こうなります。

 収穫したブドウをタンクにいれ、潰してジュースを絞ると、糖分が含まれた汁(専門用語でmustといいます)になります。この液体に酵母菌(イースト菌)を入れて、暖かい環境にしてあげると、イースト菌は 糖分を食べて、これをアルコールへと変換し、同時に二酸化炭素を排出します。この過程を醗酵といいます。

 ちなみに、死んでしまった良人君(イースト菌)は?っていうと、そのままワインと一緒に樽の中に、います。遺体は腐ると、樽内の色々な物質と科学反応を起こして、色々なフレーバーに代わって行くのです。でも、ある時期が来ると、ワインを他の樽に移して、最初の樽の底に沈んだイーストの残骸を、捨てます。なんか、かわいそう….

 あんまり話を長くしたくないので、ここからはしょります。良人君のお陰で、アルコール飲料に代わった葡萄酒は、そのあとどうなるのでしょう?

 それは、良人君の家系(名字)によります。例えば、白軽 良人(ソーヴィニョン ブラン)であれば、さっさと瓶に詰められて、フルーティーで軽口のワインとなります。白中 良人 (シャルドネ)の場合は、樽でお昼寝をして、眠り過ぎる前に瓶詰めされ、ちょっと味わい深い白ワインになります。そして、白重 良人 (ホワイト ブルガンヂー)は、じっくりとお休みしてから起きだし、樽の匂いの付いた重厚な白ワインと代わります。

 寝る場所は、樽の中と限らず、生家(ワイナリー)によっては、ステンレス スティール (ロワールの白ワイン)だったりもするので、一概には言えませんがね。と、こんな説明で、ガッテンして頂けましたでしょうか?

 ということで、次回は赤ワインのお話をしましょう。

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
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