By / 8th 8月, 2012 / ワインの知識 / No Comments

スーパーや小売店でワインを買う時に、ちょっと気をつけたいポイントを覚えておくと便利です。

まずは、その店の回転率。基本的には大手のスーパーやデパートの場合、同じボトルが何ヶ月も棚にさらされているということは、少ないと思いますが、小さな店でもこの点に気をつけて、良心的な店を探して下さい。

そして陳列の仕方。お日様が燦々とあたる場所に、ワインの陳列棚があるなんて言うのは、勿論論外ですし、店内の暖かい場所にワインのセクションが有るなんていうのも、失格です。ワインは光と熱にとても弱いものですから。

一番望ましいのは勿論、クーラーの効いた店で、ワインのボトルが寝た状態で陳列されていること。ボトルが全て立っている店は要注意。尤も、 とても回転が速い店や、早飲み用のワインを売る店は、概してボトルを立てて陳列する傾向が有るようです。

逆に冷蔵庫の中から取り出して買ったワインでも、油断は禁物。店の奥の温度の高い倉庫から取り出して来て、売る直前になって冷蔵庫にぶっこむケースもありますから。

では、ワインがスポイルされているか、どうやって見分けましょう?まずは、コルク(或はスクリューキャップ)の状態を見る事。明らかに中のワインがこぼれ出て、コルクを汚しているボトルは論外として(中のワインは、既にお酢になっていると思って下さい)、コルクがボトルと平行な状態で収まっているか、親指で触って確認して下さい。

もしコルクが少し浮いていたら、運搬中に(例えば冷蔵庫が付いていない船便や遠距離トラックなどで)高温にさらされて来たと疑ってみる事。こういうボトルはパスして下さい。

逆にコルクが少し落ちている場合、つまり瓶の口より少し低くなっている場合があるかもしれません。これは運搬する時にほぼ冷凍された状態だったと疑えます。いまでは、こういう方法で輸送するかは定かでは有りませんが、以前は南半球から北半球への長い船便での輸送に使ったとされていました。

当時のワインの専門家に依ると、冷凍されたワインは 沸騰したワインと違って、味と質に大きな変化は無いとされていました。が、これも パスした方が良さそうです。

もう一つ、良く誤解されているのは、ワインの濁り度、そして一見ガラスの破片の様にみえる「クリスタル」状のものが瓶の底に沈んでいる場合。これについては、過日記事にして説明しましたが(『濁ったワインは優良なワイン?!』にて)酷い濁りは別として、余りにきらきらと人工的に光ったきれいなワインより、ほんの少しの濁りが有るワインは良心的なメーカーが作ったワインですが、この場合はお値段が張るので区別がつきます。

また、ワインクリスタルも上記と同じく、質の良いワインの証拠。こういったワイン メーカーは、瓶詰めの直前に人工的なお化粧(例えばワインの煮沸、超低温加工やフィルターリングなど)を施す事をせずに、自然な状態で出荷するので、プロの間ではボトルの底に沈んだクリスタルは良心的なワインの印として、喜ばれます。

 ただ、飲む際に邪魔になるというのであれば、茶こしなどを通してデキャンタすれば良いと思います。

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。

Leave a Comment