9月はヨーロッパで仕事をしています(その4)

以前(12年4月)「神の雫、ソムリエールの功罪」というブログを書きましたが、神の雫は漫画文化が蔓延したフランスでも大ヒットとなり、著者はフランス政府から「スランスワインを広くプロモートした功績」で勲章まで貰われたと聞いています。

さて、フランスに足繁く通う私ですが、パリを始めフランスの地方都市に行くと必ずと言って良い程、本屋を覗きます。といっても、最近は純粋な書店というのは稀で、DVDやら電子機器などを売っている大店舗に本が一緒に売られているというのが、普通なのですが。

 パリでも地方でも、フロアーのかなりのスペースを締めるのが「漫画」(フランス語ではmangaと書いて、「モンガ」と発音します)コーナーです。店に依ってはひとフロアー、全部漫画セクションというのもある位、フランス人は漫画好き。

 びっしりと細かい文字が詰まった分厚い本が好きな「生涯文学少女?」の私でも、余りの華やかさについ彼我の漫画(そうです、フランスの漫画本ならず、日本の漫画が相当の割合を占めているのです)を手に取って、眺めてしまう程。

 しかも、あらっ、この日本の漫画の著者って、誰だろう?と思い、ひっくり返してみると、何とフランス人の漫画家だったりして、随分絵の感覚も似ているな〜と感心したり……。

 さて、話はワインの本題に入ります。今回の出張では、定番のボルドー(シャトー コス デトルネルのオーナーから招待を受けたのは以前のブログに書いた通り)とブルゴーニュ(何とあのロマネコンティのオベール・ド・ヴィレーヌ氏と面識を持ち、訪問を許されていたのです)を飛ばして(同業者からは「何と勿体ない、馬鹿」呼ばわりされました)、代わりに今回のフランス出張は、日本食には最高に合い、しかも格安なロワールワインに限定したのです。

 ロワールはご存知の通りフランスの中央部から西海岸まで広がる広大な地域。限られた時間内で相当数をこなす為に、現地のフランス人のプロを雇い、一緒にワイナリーとワインメーカーを訪問することにしました。

 最初に雇ったのはフランス人の女性で、ワインコンサルタントのローロンス女史。写真の通り、スポーティーで知的な女性で、彼女の案内で、色々なワイナリーを彼女の運転する車で廻っていました。車中、私の仕事でもある日本食、及びアジア料理とワインのペアリングの話になりました。

 その際に、「 例えば日本人がよく食べるカレーライスや、キムチを使った料理にも合うワインを探すのは一苦労よ」という話をし、「ある説では、ニンニクの香りがする土臭いイタリアの赤が合うというけれども」と言うと、何と彼女曰く。

「あっ、それ神の雫に出ていたわ!」

 それを聞いた時、改めてフランス人の漫画好きと、神の雫の反響を、認識し直したのでした!

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
1 返信
  1. Samurai
    Samurai says:

    フランスから見れば遠いアジアの国、フランス人は精神構造も日本と全然違うし日本などあまり興味がないのかなと思っていたので漫画や日本食がそこまで理解されているというのは驚きです。前のシラク大統領が大相撲のファンだったのを思い出しました。柔道も盛んなんですよね。日本はアメリカばかり見ているような気がしますが、よく考えると個性的で面白い国フランスと日本の交流が進むといいですね。ゆきさんの珍道中紀行文楽しみにしています。

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