ワインのチョイスが余りにも多過ぎて、何を選んで良いのか分からない。良く聞く悩みです。しかも、ワインは追求すればする程、深く広く、相当の専門知識を必要とします。

 

そこで、つい頼るのが専門家の「一押し」。とはいえ、何でもそうですが、専門家には要注意。概して「ひも付き」が多いからです。

 

例えば、ソムリエの場合。自分のレストランで扱っているワインや、仕入れ先のワインを当然優先しますし、大手仕入れ先(のワイン)の悪口は言えないものです。

 

それでは、評論家。 自分のウェブサイトに広告を載せているくれる会社(のワイン)や、 記事を掲載してくれる新聞社への義理なんかがあります。

 

ましてや、ワインショップの一押しなんかでは、自分で売っているワインを悪く言うはずがありません。

 

そこで、世界中のワイン愛好家が頼るのが、ロバート パーカー氏(同氏はMWでも有ります。マスター オブ ワインについては、別途「ワインの資格」をご参照下さい)のパーカー ポイントです。

 

パーカー ポイントとは、同氏が78年に米国で創刊したワイン雑誌、ワイン・アドヴォケイト誌上で、ワインに対してつけたポイント(100点が最高点)が始まりです。

 

創刊時から現在に到るるまで、意見の中立を保つ為に、広告を一切受けず、 業界からのしがらみを排して来ました。お陰で、同氏の意見、評価は、世界中のワインメーカーから恐れられ、ワインファンからは尊敬され、現在では名実共に世界で一番影響力のあるワイン界の第一人者となりました。

 

また、パーカー氏は自身の舌に忠実であるがため、時として他の評論家と全く異なる評価をする事がありましたが(82年ボルドーの評価など)、その判断が結果として、正しかったということもあり、同氏に対する絶大な信頼に繋がって行きました。

 

当然の事ながら、ワインは個人の嗜好物なので、「独りの評価を絶対視するのは危険である」という当たり前の意見が多々あります。これは当然の事ですが、それでは評論は成り立ちません。大切な事は、同氏の歴代のポイント(価値基準)を審査した場合、批判的な専門家でさえも「パーカー氏の評価はぶれない」と認めている事です。この「ぶれない」という資質は、実は大変重要なポイントです。

 

さて、100点満点のパーカー ポイント (PPと略します)で95点以上をとるワインは、重厚で隙のない、誰が飲んでも「う〜ん」と唸る絶品のワインですが、基本的には90ポイント以上のワインは、誰が飲んでも 素晴らしいと感じるようです。

 

逆に、買い得なのは85ポイント位の、手頃なワインだともいえます。90点、95点以上のワインは、概して高級ワイン が主流で、五桁(一万円以上)のワインが一般的。

 

対して、80ポイント台のワインは、4桁で買え、しかもぶれずに「美味しい」と感じるワインです。ワインを飲み始めたばかりで何を選んだら良いのか分からない方 は、こういったPP85点以上のワインに集中してみては、如何でしょう?

 

 

 

 

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。

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