12月は南米で仕事をしています(その1)

年に何回か主にヨーロッパで仕事をしていますが、ワインは既に全世界で生産されており、守備範囲がかなり広がっています。特に、ニューワールドといわれるヨーロッパ以外の新世界は、南北アメリカ、南アフリカ、アジア、オセオニアと、正に大変な距離をカバーせねばなりません。

 便利な事に、南半球(今回訪れるチリとアルゼンチンといった)は、アメリカ、ヨーロッパなどの北半球と季節が逆になるので、年末から春先にかけては主に南半球での仕事が主になります。

 12月中旬現在、チリの首都サンティアゴの気温は28度から30度、アンデス山脈を越えたアルゼンチンのメンドーザは既に35度を超す日も珍しくない暑さです。3月に入ると既にブドウの収穫期になります。

 今回の訪問の目的も、9月のヨーロッパ出張と同じく、日本食にマッチし、値段的にもお得な赤白ワインを探す事。また、日本食以外の食事とペアリング出来、かつアメリカ、フランスの上質ワインに迫る隠れたワインを発掘することです。

 チリはとても細長い国で、西側は国の南北にかけて太平洋に面しており、そこから東に向かって100キロも行けば、アンデス山脈にぶつかります。その向こう側がアルゼンチンとなりますが、太平洋と同じく、チリの南北にかけて壮大なアンデス山脈が広がります。

 ということは、海側の気候はボルドーのように霧が出たり、大変涼しく、キレの良いソーヴィニヨン ブランや、エレガントなピノ ノワールなどの栽培に適しており、海と山の合間の一番広い地域は、平地が多く、温度も高い事から、フルーティーでフレンドリーなシャルドネやカベルネなどを生産する大手ワイナリーでひしめいています。

 まだ開発途上ではありますが、アンデス山脈沿いの標高の高い地域は、温度差が大きく、日当りもよいので硬質なカベルネ、シラーや、ミネラルの高いリースリングなどの生産が期待されます。

 また、こういった海、内陸部、山間部といった東西のテロワールの他に、大陸的で暖かい北の地域と、雨が多く湿気が高く、温度が低い南の土地という南北の較差も、チリという国に複雑なテロワールを与えています。正にワインメーカーの夢の国と言われる所以ですね。

 さて、今回の訪問は首都のサンティアゴに居を構え、まずはチリをワイン大国にのし上げた大手メーカーが割拠するマイポ ヴァレー(首都から車で45分から一時間くらいと、丁度サンフランシスコからナパ、ソノマに行く感覚でしょうか)を皮切りに、海側で上質なワインを産出するカサブランカ、サンアントニオを訪問。更に南に足を伸ばしアコンカグアのブティック ワイナリーで一日を過ごす事にしています。

 また、広大なアルゼンチンの80%以上のワインは、チリと隣接するメンドーザで生産されている事から、今回はこの地域に焦点をあて、質の高いワイナリーばかりを訪問して参ります。

 今回の滞在は丁度クリスマスシーズンに股がっており、南米でのクリスマスとなりますが、これも楽しみのひとつです。(先月の感謝祭Thanksgivingは、病気でやり過ごす羽目になったのは、ブログに書いた通りですが、今回はそのリベンジです!)

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
4 返信
  1. kuniko sawaguchi
    kuniko sawaguchi says:

    昨夜ちょうどチリのワインと生牡蠣を食べました。
    Loncomilla Valleyでボトルされた シャルドネです。
    難しいことは全くわかりませんが美味しかったです。
    あったかいところにいていいですね。

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  2. yukisaito
    yukisaito says:

    チリの生ガキとシャルドネ、いいですね〜。こちらは今夜(12月22日)に現地のワイナリーのオーナー(女性)とサンチアゴで「最高(同女史に依ると」のレストランに連れて行って下さるそうで、楽しみです。チリはシーフードもお肉もおいしく、また全ての料理に合うワインが安く手に入るので、飲んべえで食いしん坊のわたくしには、天国です!

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  3. Yoshi Sako
    Yoshi Sako says:

    ゆきさん、もうSFに帰って来たんですか?そのサンチャゴで一番のレストランではどんな料理が出されたのでしょうか?チリの、Casa Marin Pinot Noirを飲んだ事があり、ちょっとスモーキーでエレガントで面白い味がしたのを覚えてます。オーナーの女性にも会った事ありますよ! それとメンドーザは、どんなものをメインに食べてるんでしょうか?赤ではMalbecが定評ありますが、軽い感じの赤はあるんですか?  また、Yuzuki で合いましょう!

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    • yukisaito
      yukisaito says:

      そうですか、カサ マリーンのオーナー、メリールーは、正に夢を実現した方で、チリで最も海に近い最高の土地、テロワールでブドウにブドウを植え、海からの風が吹き抜ける涼しいお蔵でワインの醸造をしています。彼女(と息子さん)が作る白ワインも赤ワインも、彼女の様にとてもエレガント。近々このお話を写真入りで、紹介しましょう。勿論、チリ、アルゼンチンでの食事とワインのペアリングのお話も!

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