バレンタインデーこそカリフォルニアのスパークリングワインを!

 

近年、質より値段がインフレ気味のフランス産のシャンパン。バレンタインデーで人気のロゼに至っては、色がついているだけでロゼの味わいが乏しく、しかも人気が先行して供給が追いつかず、値段は上がるばかり。

 

こういう非常識ワインは飛ばして、コスパも質も良いアメリカ産のスパークリングワイン(SP)で、「かんぱ〜い!」はいかが?

 

国産SP(特に質の高いカリフォルニア)は、世界的にもプロの目隠し試飲で毎回上位に入賞し、審査員に依っては「シャンパンと間違えてもおかしくない」とまで言わせる品質。それは、北限ぎりぎりでブドウを栽培する当たり外れの大きいシャンパン地方と違い、 製造者にして「カリフォルニアのスパークリングワインに悪いヴィンテージは無い!」とまで言わしめる恵まれた環境に依るもの。

 

最初の一押しは、 純国産メーカーの中から、 老舗のシュラムズバーグ。昔ながらの手作りシャンパン製法で、質の高いSPを作る代表格。ロゼは勿論、品揃えも豊富。他に国産のうち、評判が高いのは、アイアンホース, シェッフェンバーガー(NYタイムス紙推薦)のソノマブランドでしょう。

 

また、大手シャンパンハウスもカリフォルニアでSPを製造していますが、特にお薦めするのは2社。

 

まずは、クリスタルで有名なルイ ロデレール社の米国子会社(ローデラー エステート)のブリュット。スーパーでは20ドル以下で手に入りますが、柑橘類、ピーチ、リンゴといったフレッシュなフルーツが、キレのある酸味とともに口中に広がる絶品です。同社のプレスティージュ キュヴェ(最高級ブランド)のアルミタージュは、45ドルとは思えない、高級シャンパンの味わいと評価されています。

 

もう一社、テッタンジェ の子会社、ドメーン カーネロスは、素晴らしい景観を誇るシャトーが観光スポットとして有名ですが、地元カーネロス特産のシャルドネをベースにつくるSPは、キレがあり、品よくフルーティーで、

お値段も30ドル前後とフレンドリー。プレスティージュ キュヴェの『夢』(Le Reve)は、100ドルの高級品ですが、フランスのそれと比べて、全くひけをとりません。

 

さて、折角素晴らしいスパークリングワインを調達したので、もう一つの非常識を正しましょう。それはチョコレートとSP(或はシャンパン)は「相性が悪い」というペアリングの常識。ミルクチョコであろうと苦みのあるダークチョコであろうと、あの圧倒的な甘さと重さは、軽快でフルーティーな美しいワインを台無しにしてしまいます。

 

そこでペアリングの常識、「チョコレートにはデザートワイン!」です。プロの定番はポルトガルのポートワイン(特にルビーやヴィンテージーポート)ですが、その他にもオーストラリアのラザグレンなどお値段も手頃な10ドル台のデザートワインを是非お試し下さい。(注:この記事は筆者が毎月連載している「ワインの常識、非常識」(US   Frontlineの2月号に掲載されたもの)を転用しています。)

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
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