ワインのプロには、色々な職業があります。レストランで働くソムリエ、ワインショップ或はワインバーの運営や経営者、ワインの流通に関わる人達、ワインの評論家やライターなどなど。資格もそれぞれで、きちんとした学校で高度な学位をとる必要があるもの(ワイン評論家、審査員、教育者やジャーナリストなど)、ワインの一般論理と実技の試験をクリアーする場合(ソムリエの中でも、かなり名の通ったレストランのヘッドソムリエなど)、更にはしっかりとした知識がある人も、単にワインが好きな人でもできる仕事(ワインショップの売り子さん、流通業者、ワインバーの経営者など)といった具合に。

 人様にもの(ワイン)を売ったり、紹介する仕事に就くからには、きちんとした知識と情熱があるべきです。しかも知識はどんどん陳腐になるので、業界紙や新論文を頻繁に読み込む必要がありますし、世界中の変わりゆくワインを、毎日試飲する必要があります。

ソムリエやワインバーのスタッフであれば、職場で「ある程度」の試飲は出来ますが、私の様に「評論と批評」が主体の仕事は、そうはいきません。結果、ワイン業界の仲間といくつかの試飲グループを作り、毎週試飲会を持ち、更に週に何度も開催される業界の試飲会に足を運ぶことになります。

 多いときは一日に3回以上、こういった場がありますが、最近は一日2度迄と決めています。まずは朝一番の試飲会と、午後/夕方の部に出席しますが、はやり朝のほうが味覚感覚がフレッシュで、味がよくわかります。コーヒーや味の濃い食事は控え、試飲の前に必ずたくさんの水を飲みます。こうしないと喉が渇いて、味覚がずれてしまいます。

 また、扁桃腺が腫れたり、風邪を引いているときは、タニンの強い赤ワインや酸味の強い白ワインの試飲は、かなり厳しい物がありますが、お休みする訳にはいきません。喉が弱いので、試飲後に熱を出したり、風邪がこじれたりすることはざらです。いつもベストコンデションで審査員を務める訳ではないので、体調が悪いときの自分の味覚を知ることも大切だと思っています。

 本日は、昨夜のパーティーでのはしゃぎすぎと飲み過ぎで、ちょっと二日酔いっぽく、しかも朝がえりの為、寝不足に頭痛という三重苦?をこらえて、ふたつの試飲会をこなして来ました。

 昼に行ったスペインのリオハの試飲会では、用意されたワインのタニンがまだ青く、こなれておらず、ちょっと閉口しましたが、夕方に出席したナパのカベルネ試飲会は、10年から20年のヴィンテージものが多く、タニンもこなれていて、なかなか美味でした。帰宅し、立ちっぱなしでパンパンに腫れた足をマッサージし、真っ黒になった歯のお手入れして、本日は店じまいです。

 

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。

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