以前にブログで「パリの審判」についての記事を書きました。それでふと思ったのは、「典型的な」或は「歴史的な」カリフォルニアワインを贈答したいと思った場合に、「パリの審判ワインセット」なんていうのが有っても良いのでは?と思い至った次第。

 そもそもカリフォルニア・ワインが、ボルドーやブルゴーニュと並んで、世界最高峰と認知されたのは比較的最近の話。そのきっかけとなった1976年の『パリの審判!』(Judgment of Paris)といわれる目隠し審査で、当時無名だったカリフォルニア・ワインが、並みいる フランスのシャトーを凌駕して、赤、白ともに最優秀賞に選ばれたばかりではなく、上位を総なめしたのでした。

 世界最高峰のブルゴーニュの白ワインを排して、シャルドネ部門で優勝に輝いたのは「シャトー・モンテリーナChateau Montelena」。今も実在するカリストガの老舗ワイナリーですが、実際にこのシャルドネを作ったのは当時のワイン・メーカーだったマイク・ガーギッチ翁。そうです、あの現ガーギッチ・ヒル(Grgich Hills)のオーナーで、故ロバートモンダビ氏と並ぶナパ・ワインの父。90歳を過ぎた今でも、オーガニックのブドウ畑を歩き回り、あのシャルドネを始め、ナパ独特のフュメ・ブランクFume Blanc(ソーヴィニヨンブラン)など、クリーンで美しいワインを作っています。

 その他に入賞したシャルドネは、上位からChalone Vineyard、Spring Mountain Vineyard、Freemark Abbey Winery、 Veedercrest VineyardsにDavis Bruce Winery。ガーギッチを始め、皆リーズナブルなお値段を維持しているのは、嬉しい限りです。

 赤ワイン部門で並みいるボルドー・シャトーを押さえて優勝したのは、 スタッグズ・リープ・ワイン・セラーズStag’s Leap Wine Cellars。今でも、古き良きナパのエレガントなカベルネを作っていますが、おなじカエルの名とレベルのついたFrog’s Leapと間違えないで下さいね。

 他に入賞したワイナリーはRidge Vineyards (Monte Bello)、Heitz Wine Cellars (Martha’ Vineyard)、Clos du Val Winery、Mayacamas VineyardsにFreemark Abbey Wineryとすばらしい老舗がずらり。リッジとハイツは、モンテベロとマーサズ・ヴィンヤードという単一畑の銘柄が優良。サンタ・クルス在のリッジは日本の製薬会社が保有するワイナリーですが、古木から作るジンファンデルが有名です。 白赤と揃えて「パリの審判ワイン!」として贈るなんて、ちょっとおしゃれじゃないですか?

 

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。

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