アメリカ・ワインのラベルの読み方


カレラ ライアンPNワインのラベル(エチケット)の表示は、生産国のワイン法に基づいて規定されています。複雑なワイン法に縛られたヨーロッパのラベルは難解で、プロでもない限り、一見してブドウ品種や生産地域、ワインの特質などを割り出すのは難しいかも知れません。

 

その点、後発組の新世界のワイン作りは規定がゆるく、その分ラベルも分かり易く出来ています。

 

 

例えば、写真にある有名なアメリカワインのラベルを解読しましょう。

 

 

Calera                         このように、通常一番大きい字で書いてあるのが生産者名(ワイナリー)。この場合は「カレラ」となります

 

 

 

2010                           生産年度が表示されている場合、年度のブドウを100%使用

 

 

 

Thirty-Fifth Anniversary Vintage    35周年記念ヴィンテージ

 

このように、ワイナリーが特別な名前を付け足すことがあります。自分の子供の名前をワインに冠したり、またリザーブ(Reserve)やスペシャルセレクション(Special Selection)などの名前をつけることも。後者(reserve, Special Selection, Special Reserveなど)には法的規制がなく(ヨーロッパも同じく)生産者が自由に付け足せます。とはいえ、良心的なメーカーは、より良質なブドウを使ったり、樽で寝かせる期間を長くしたりと、通常のワインより上質なワインを作るので、お値段が上乗せされます。

 

 

 

Ryan Vineyard           ライアン畑(このようにわざわざ「単一畑の名前」が表記されている場合、95%以上のブドウがその畑で収穫されたものでなければなりません)

 

Pinot Noir       ピノノワール=ブドウ品種表示。但し「100%ピノノワール」と表記していない場合、表記されたブドウ品種が85%以上入っていれば良いのです。大抵は風味や色味を加える為に、多品種のブドウを混ぜ合わせますが、生産者によっては100%同じブドウ品種を使用する場合もあるようです。

 

Mt. Harlan      マウントハーレンというのは米国法で認定されたアメリカブドウ栽培地域(American Viticultural Area 略してAVA)のひとつ。一般常識としてこのAVA(例えばナパ、ソノマ、ラザフォード、モントレーなど)は知っておいた方が得。AVAが表記されている場合、使用されたブドウの75%以上がその地域で収穫されていなければなりません。

 

 

すらっとワインのラベルが読めるようになるには、ある程度の学習は必要ですが、上記のパーセント(%)ルールと、出身地(AVA)そして優良ワイナリーを覚えるだけで、理解力がぐっと広がります。

 

 

また、ワインのアルコール度の表示は表のラベルの下、或は横向きの小文字で書かれていることが多いのですが、裏ラベルに掲載されていることもあります。

 

 

裏ラベルの情報開示は生産者によって様々ですが、大切な情報は「輸入元」がどこかということ。せっかく丁寧に作られたワインも、親元を離れた瞬間から、質の維持との戦いになります。

 

 

信用できる輸出、輸入元ならば、冷蔵庫のついたコンテナで運送し、涼しい倉庫で管理して、出荷までワインの劣化を防ぐことに腐心します。

 

 

 

ということで、ワインのラベルは表のみならず、横、そして裏面もしっかりとチェックして下さい。

 

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
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