The Great Arzak サンセバスチャンの三ツ星アルザック 2

最初のコースを頂きながら、趣味のワインリストを読み始めました。あるある。スペインのボデガの中でも、よくチョイスされた趣味の良いリストだな、、、、と読み進んでいくと、フランス、ボルドーの頁にさしかかりました。「でも、ここは、スペイン。」とばかり飛ばし読みしようと思ったら、、、、、なんてことでしょう!この2週間程、気になっていたワインがあるではありませんか!

ここでちょっと、話がちょっと遡りますが、5月21日付けの記事でご紹介したように、当日はボルドーのソテルネで最高のデザートワインをつくるシャトー イッケム (Chateaux d’Yquem)を訪問しておりました。 今回、パリやここサンセバスチャンで一緒に食べ歩きをしている友人から、「イッケムのイグレック(Yという名前の仏語読みで、辛口の白ワイン)は滅茶苦茶うまい!」と散々聞かされており、是非試飲したい物だと思って聞いてみると、「イグレックは生産量が余りに少ないので、当シャトーではオファーできないのです」という答え。それがず〜〜〜〜〜と、心残りだったのです。

そのイグレックの2000年ヴィンテージが何とワインリストに載っているではありませんか!もう目が点になった後は、直ぐにソムリエを呼んで、「ねえ、ねえ、このワイン。本当にあるの?」と聞くと「はい」との答え。その時点でちょっと重かった胃も肝臓もすっかり忘れてしまって、一本頼んじゃいました。勿論、「今日はさっき言ったように体調が万全じゃないから、余ったワインは持って帰らせてもらいますね」という条件付きで。(お値段が気になるって?まあ、テイスティングメニューよりも、高かったことは確かですが、これも勉強のうち!)

14年ものの白ワインとは思えない若々しい果実味と凝縮感、そしてさすがイッケムと思わせてくれる古酒の味わい、蜂蜜、ローストしたナッツにバニラやスパイスといった複雑味が加わった美しいワインでした。(幸せ、、、、。)

ちなみにいつも一人で食べ歩く私と同じく、隣の席の若い男性も一人で食事をしているので、きっと業界人だろうと思って声をかけたら、ソムリエ(ワイン業界)ではなく、イギリスの三ツ星レストラン ファットダック(The Fat Duck)のシェフの一人だとのこと。「あなたのところのレストランはなかなか予約がとれないね〜。今度力を貸してね」とお近づきにイグレックを一杯差し上げました。「どう?」と聞くと、「これは素晴らしいワインですね〜。良かったら先ほど書いていらしたテイスティング ノートを見せて頂けませんか?」というので、「ど〜ぞ」とお見せしました。

ついでに「あなたはどんなシェフになりたいの?」と聞くと、「う〜ん、やはり素材を生かした料理がしたいですね」とおっしゃるので、「まあ、ワインに例えたらテロワールを表現するオネストな料理ね?じゃあ、クラシシストだ」などとおしゃべり。 下の写真がイッケムのイグレックです。要は、貴腐菌がつかなかったブドウ(つけば、ちゃんと甘いデザートワインが出来るので)を使って作るので、シャトーイッケムにとっての悪いヴィンテージ(つまり貴腐ワインが出来ない年)の方が、生産量が多いのですね。

ちなみに、オーナーのホアン マリ アルザックさんが挨拶に来た時にも、一杯振る舞ったら、お返しに赤ワインを一本おみやげにもらっちゃった。それと、サンセバに滞在している友人(先のイグレック好きの)の為に、最後の一杯だけ残して、瓶を持ち帰りました。明日一緒にランチをするので、その時にあげよっと。

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Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
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