ディスカバー、リヴァモアヴァレー(Discover Livermore Valley)

ベイエリアの至近距離で、歴史深いワイン地域といえば、リヴァモアヴァレー(以下LVと省略)だ。その中心地リヴァモアまで、サンフランシスコから車でほんの四十分。もう一つの主要都市、プレゼントン(Pleasanton)までなら、便利なことにバート直行でやはり40分で行ける近さだ。

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にもかかわらず、観光客や業界人の足はもっぱら北のナパ、ソノマに集中し、なかなかリヴァモアに向いてくれない。というのが、LVワイン生産者協会の悩みである。その理由は、馴染みのある有名銘柄が少ないこと、地理的にSF内陸部のベッドタウンとしてのイメージが強いことであろうか。現地最大手のウェンテ(Wente Vineyards)は、国内生産量でトップ50位内にランクされるワイナリーだが、輸出市場に注力してきたこともあり、国内での知名度はモンダヴィ、ジャクソンファミリーなどに比べると、あまり高いとはいいがたい。

 

既にLVには50の大小ワイナリーが存在し、美しいゴルフ場や、質のよいレストラン、割安なホテルも完備されている。そういった実情を知ってもらおうと、LVワイン生産者協会がワインライター向けに、3日間の視察取材を企画、招聘された。

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準備された宿舎はプレゼントンの目抜き通りにある、格調高いローズホテル。小さなメインストリートには、可愛らしいブティックやレストランが並び、これなら日帰りせずに、一泊しても良いという気持ちにさせてくれる。これまではリヴァモア市内のホテルチェーン(マリオット系列など)に泊まり、ウェンテ所有の美しいゴルフ場でプレイした後は、敷地内にある質のよいレストランで夕食というのが、筆者の定番であった。正に、ウェンテ一色であった訳だ。今回案内されたプレゼントンルートや、リヴァモア市内のナイトスポット(ワインバーなど)も、割高のナパなどに比べるとリーズナブルでなかなか魅力的であった。

 

取材は、 ウェンテ家五代目当主、キャロリン氏 を中心に、大小のワイナリーオーナー達が一同に会す夕食会で始まった。同氏は、米国ワイナリーを統括するWine Instituteの現会長(持ち回り制)であり、主席醸造担当をつとめる若い甥のカールは、地元ワインメーカーのリーダー的な存在でもある 。 ウェンテ家は代々、LV 地域の自然保護に私財を投入し、また新興ワイナリーの立ち上げや技術指導に深く関わってきた。それはLV振興が現地プレーヤーすべてのメリットになることを物語っている。

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興味深かったのは、翌日行われたLVのテロワールについてのレクチャーで、一般に誤解されている「LV=暑い内陸部=大量生産ワイン」という図式を、気象資料と地域図を基に差別化したことであろうか。実際きちんと検証すれば、LVはより内陸部のセントラルバレーとは一戦を画す、海からの風や霧が届く地域であり、気候的にはナパバレーに近いといえる。そのあとに訪れたブドウ畑の高台に立ち、LVを一望して納得した。

 

LVは主に、カベルネ、シャルドネ、プテットシラーやソービニョンブランといった人気品種を生産。価格的には、ナパ、ソノマに比べると割安だが、なかにはスティーヴケント のリーネッジ (linagewine)という$200相当の高級ワインもある。LV生産者協会のサイト(www.LVwine.org)に詳細があり、一度気軽に立ち寄ってみることをお勧めする。IMG_3145

Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
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