こんな仕事を手がけています

ワイン・コンサルタントという名刺を差し出すと、「どんなお仕事ですか?」と聞かれることがままあります。通常はワイナリーに依頼されてワイン作りを指導するコンサルティング・ワインメーカーを指しますが、彼らは、複数のワイナリーと契約を結んで醸造の指導をし、売れっ子になると、世界各地のワイナリーを飛び廻って活躍していることから、フライング・ワインメーカー(Flying winemakers)と呼ばれています。

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私の場合は、ワインメーキングではなく、ワインビジネスの顧問業といえば、分かり易いでしょうか?顧客は日系大手企業が主で、ワイン事業の立ち上げをアドヴァイスしたり、米国の企業とマッチングをしたり、市場調査や説明会を行ったり、現地視察を代行したりします。近年は酒造業種(サントリー、キリンといった)以外の一般法人が、ワインビジネスに関心を寄せているようで、様々な引き合いや依頼を受けます。

 

例えば、隠れた名カリフォルニア・ワインを日本に輸入し、自社のネットワークでネット販売するというプロジェクトを受注。ゼロから立ち上げまでのハードウェアーとソフト双方から支援を行いましたが、販売する ワインは全て「当方のお墨付きのみ」という契約なので、質が高く値段もリーズナブルで、まだ日本で知られていないワインばかりをピックし、同社が立ち上げたネットで自ら紹介し、日本で講演会も開くという契約でした。

 

複雑なプロジェクトといえば、米国でブドウ栽培からワイナリーまでの一環業務を開始したいという企業からのリサーチ依頼。まず日本本社を訪ねて、米国ワイン業界の展望や構造を説明し、先方のバジェットやリターンが現実的に実現可能かなどを擦り合わせ、骨子を立案するに必要な情報収集を行います。その上で候補ワイン地域や畑を視察し、農園建設を専門に取り扱う建設業者や農園管理会社、また地元の農協と面談し、ワイナリー建設に必要な種々のラインセンスや規定の調査、そしてワインメーカーや農園のスタッフの目処をつけるまで、親密に関わって行きます。こういう業務は、聴取だけが目的ではなく、相手のパートナーとしての資質を見極める為に、自身の知識と経験を総動員して当たります。

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以上は典型的な日本からの依頼案件ですが、米国内での依頼は個人事業主が主。大抵はワイナリーから直接の依頼で、日本にワインを輸出する道筋を作って欲しいというもの。また、数十社のワイナリーが日本やヨーロッパでロードショーを行う場合、ワインの批評家として同行取材を依頼されたり、米国に視察にこられた政府や企業人向けのセミナーを米企業から頼まれたり。

 

最近、ちょっと面白かったプロジェクトは、ナパのシャンドン(Moet et Chandonの米国子会社)から受けた仕事。フランス国営放送が作っているドキュメンタリーに、ゲスト出演して欲しいという以来。なんでも、ジャーナリストとワインメーカーのインタビューシーンを撮りたいからと。蓋を開けたら、仏ワインメーカーに対して、インタビューするのは仏男性ジャーナリストと私の二人だけ。お陰で、30分のシーンを撮るのに、丸一日がかりでした。やれやれ。2月の下旬にフランスで放送されましたという報告とともに、ビデオを頂いたけれども、自分のフランス語を聞く勇気がなくて、まだ目を通しておりません。

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さて、最近注力しているのは加州内のブドウ畑の視察。北はソノマから南はサンタバーバラまで足を伸ばして、良い物件を物色中。とはいえ、この記事はヨーロッパに向かう機中で書いており、3月いっぱいはまた欧州各地をどさ回りです。私もフライング・コンサルタントと名乗って良いでしょうか?

 

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Yuki Saito

斉藤ゆき

Diploma WSET, Certified Sommelier, Master of Wine Program
ワイン・コンサルタント 品評会審査員 ワイン・ライター

ニューヨークで金融キャリアを構築後、 生涯のパッションであるワインを、欧米のトップスクールで学び、日本人として希有な資格を数多く有するトッププロ。

ワイン教育の最高学府、Wine and Spirits Education Trust (WSET)の学位(レベル4最上位)をカリフォルニアで、上級資格(レベル3)をトップで本校(ロンドン)にて取得。更に、ソムリエ機関の世界的権威であるCourt of Master Sommeliers(ロンドン)の認定ソムリエ資格も有する。フランス留学は頻繁で、ボルドー、ブルゴーニュを始め、各地のワインスクールでフランス人と共に学ぶ。

現在は、サンフランシスコをベースに、ワインの顧問業務(日米)、連載記事の執筆と講演(日米)、品評会審査と視察(日欧米)を3本柱に活躍する傍ら、ワイン業界最高峰といわれるマスター・オブ・ワインのプログラムに所属し、MWを目指して切磋琢磨中。
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