1760(サンフランシスコ)

気のおけない小さなカフェやレストランが集まるサンフランシスコのポルク ガルチPolk Gulch(ヴァンネスVan Nessと平行して南北に走るポルクストリートPolk Streetの、北はユニオンUnion Streetから南はギアリーGeary Streetまでの)地域に、ホットなレストランが開店したと知り、早速チェックに行きました。

 

この庶民的で雑然とした地域でちょっと不釣り合いな、ミッシェラン星付き、市内最高級のイタリアンレストランのアクエレロ(Acquerello)は、ポルクとサクラメントSacremento Stに位置しますが、この経営者が開いたのがもう少しカジュアル系の1760。天井が高い角部屋ガラス張りのインテリアは、モダンなニューヨークのレストランを連想させます。

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ここのワインリストは、アクエレロのワインデレクターが管理しているだけに、同じような幅広いシャンパーニュリストや、ベンチマークのイタリア、フランスワインが多々見受けられます。それに加えてこのレストランでは、アメリカワインもエレガント系(ヨーロッパ風)が多く、マークアップもリーゾナブルで嬉しい限り。例えばリトライの各種ピノが$88〜$98、マウントエデンのシャルドネが$82といった具合。また、嬉しいハーフボトルも多々あります。

 

食事はシーフードが中心で、カリフォルニアフュージョンといった趣。勿論イタリアンパスタあり、ソースなどの凝った肉料理ありで、新鮮な素材を使っており、また一皿の盛りも人と分けるのに丁度良よい多さ。メニューは上から下に向かって、小皿から大皿になるようにリストされております。

 

今回はワイン業界の友人と二人で、6皿を注文。まずはスペインの獅子唐の揚げ物をビールで頂き、その後はロブスターのセビッチェ、バジルとメロンシャーベットを添えたかにサラダ、サバのグリルと、立て続けにシーフードのつまみを頼み、ワインは北イタリアのソービニョンブラン、サルデニアのヴェルメンチーノやブルゴーニュ ブラン(ブルガンディのシャルドネ)という辛口の良く冷えた白ワインと一緒にいただきました。

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メインディッシュは、小さなパエヤに焼いたタコを乗せたものと、ポークベリーグリルを、辛口のランブルスコとペアリング。このイタリア名産赤のスパークリングワインは、ハーフボトルで$22とリーゾナブルで、質も良い物でした。

 

総じて、行き届いたサービスと、新鮮な食事と飲み物の質を鑑みると、一人頭$100プラスという請求書を高いと感じませんでした。ちなみに、今ホットな生産者シャンパーニュ(Grower Champagne)というブドウ農家の手作りシャンパーニュも揃えており、月曜日に行くとシャンパーニュはボトル20%オフになるそうです。

 

1760 Polk St (@Washington)         415-359-1212         1760sf.com

The Great Arzak サンセバスチャンの三ツ星アルザック 3

さてアルザックをどう評価しましょう?

個人的にはミッシェランやリレ エ シャトーの格付けは余り信用していません。何十年も世界中のこういうレストランやオベルジェを食べ歩いた結論ですね。

とはいえ、味覚を信用できる友人や業界人の推薦があれば、足を運ぶことにしています。勿論、そこのワインリストやソムリエのペアリングの腕も気になります。

同じ地元で、2つ星、そして2014年度の世界のトップレストランで6位にランキングされているムガリッツよりも、今回はアルザック(2014年度8位)に一票を投じます。それは文句無しに美味しく、美しく、そして食材をきちんと生かした料理だから。そして良くありがちがソースの塩っからさがまったくなく、控えめで丁寧に風味が有るソースが心地よかった、、、。最近こういう当たり前のソースを作るシェフって、少ないですよね〜?

そうそう。最初に頼んだ五品(アミュズ、フォアグラ、ロブスター、ミッシェランの店ならどこでも出て来る(うんざり)半熟玉子っていうか日本の温泉玉子の洋風版、モンクフィッシュ)をきれいに平らげて、なんとなく物足りないのと、まだイグレックを味わいたい(でも、食事が無ければワインは飲めない!)ので、鳩の一品を追加しちゃいました。

そしてイグレックは、その重さ(ボデー)と凝縮度を失わず、鳩料理にもしっかりとあったのでした。最後にコーヒーを飲んでいたら、アルザック氏が挨拶に来て下さって、キッチンに案内して下さり、片腕の娘さんでシェフのエリーナさんを紹介してくださいました。また、マネージャーのジャコポは、ワインセラーを案内してくれましたが、私と同じくCourt of Master Sommelierのソムリエ資格を取得しており、またWSETのコースも勉強した言わば「後輩」と分かり、すぐにソーシャルメディアで繋がりました。IMG_7934IMG_7935

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The Great Arzak サンセバスチャンの三ツ星アルザック 2

最初のコースを頂きながら、趣味のワインリストを読み始めました。あるある。スペインのボデガの中でも、よくチョイスされた趣味の良いリストだな、、、、と読み進んでいくと、フランス、ボルドーの頁にさしかかりました。「でも、ここは、スペイン。」とばかり飛ばし読みしようと思ったら、、、、、なんてことでしょう!この2週間程、気になっていたワインがあるではありませんか!

ここでちょっと、話がちょっと遡りますが、5月21日付けの記事でご紹介したように、当日はボルドーのソテルネで最高のデザートワインをつくるシャトー イッケム (Chateaux d’Yquem)を訪問しておりました。 今回、パリやここサンセバスチャンで一緒に食べ歩きをしている友人から、「イッケムのイグレック(Yという名前の仏語読みで、辛口の白ワイン)は滅茶苦茶うまい!」と散々聞かされており、是非試飲したい物だと思って聞いてみると、「イグレックは生産量が余りに少ないので、当シャトーではオファーできないのです」という答え。それがず〜〜〜〜〜と、心残りだったのです。

そのイグレックの2000年ヴィンテージが何とワインリストに載っているではありませんか!もう目が点になった後は、直ぐにソムリエを呼んで、「ねえ、ねえ、このワイン。本当にあるの?」と聞くと「はい」との答え。その時点でちょっと重かった胃も肝臓もすっかり忘れてしまって、一本頼んじゃいました。勿論、「今日はさっき言ったように体調が万全じゃないから、余ったワインは持って帰らせてもらいますね」という条件付きで。(お値段が気になるって?まあ、テイスティングメニューよりも、高かったことは確かですが、これも勉強のうち!)

14年ものの白ワインとは思えない若々しい果実味と凝縮感、そしてさすがイッケムと思わせてくれる古酒の味わい、蜂蜜、ローストしたナッツにバニラやスパイスといった複雑味が加わった美しいワインでした。(幸せ、、、、。)

ちなみにいつも一人で食べ歩く私と同じく、隣の席の若い男性も一人で食事をしているので、きっと業界人だろうと思って声をかけたら、ソムリエ(ワイン業界)ではなく、イギリスの三ツ星レストラン ファットダック(The Fat Duck)のシェフの一人だとのこと。「あなたのところのレストランはなかなか予約がとれないね〜。今度力を貸してね」とお近づきにイグレックを一杯差し上げました。「どう?」と聞くと、「これは素晴らしいワインですね〜。良かったら先ほど書いていらしたテイスティング ノートを見せて頂けませんか?」というので、「ど〜ぞ」とお見せしました。

ついでに「あなたはどんなシェフになりたいの?」と聞くと、「う〜ん、やはり素材を生かした料理がしたいですね」とおっしゃるので、「まあ、ワインに例えたらテロワールを表現するオネストな料理ね?じゃあ、クラシシストだ」などとおしゃべり。 下の写真がイッケムのイグレックです。要は、貴腐菌がつかなかったブドウ(つけば、ちゃんと甘いデザートワインが出来るので)を使って作るので、シャトーイッケムにとっての悪いヴィンテージ(つまり貴腐ワインが出来ない年)の方が、生産量が多いのですね。

ちなみに、オーナーのホアン マリ アルザックさんが挨拶に来た時にも、一杯振る舞ったら、お返しに赤ワインを一本おみやげにもらっちゃった。それと、サンセバに滞在している友人(先のイグレック好きの)の為に、最後の一杯だけ残して、瓶を持ち帰りました。明日一緒にランチをするので、その時にあげよっと。

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The Great Arzak サンセバスチャンの三ツ星アルザック

前夜のムガリッツでの長い晩餐が負担になったのか、朝からあまり胃腸の調子が良くない。とはいえ、本日は三ツ星のアルザックでランチの予約を入れてあり、キャンセルできない。ということで、じゃあ軽めのランチにしようと足を運びました。

店の構えはミッシェラン三ツ星の典型で、静かで地味なたたずまい。入り口が小さなバー兼待ち合い室。左手から小振りなレストランに入ります。ランチは1時半から始まりますが、当然一回転だけの店なので、ゆったりとしています。

カルト(メニュー)を持って来たマネージャーのジャコポには、「昨夜のムガリッツが祟って、何か余り食欲ない。とはいえ、テイスティングメニューは必ずこなしたいので、魚介中心でお願い」と言うと、「メニューは何とでも作れるので、一緒にテイスティングメニューから好きな物だけを選びましょうか?」とのオファー。

そこで、とりあえず5コースのメニューを選択し、「今日は余り飲みたくないから、とりあえずゴッセ(シャンパーニュ)のハーフボトルを下さい」とオーダー。

最初にアミィーズ ブッシュが凝っていて、以下の5品目が一遍に出て来ます。量と良い、凝り方とお味と良い、文句無し!

Scorpion fish mousse with kataifi, bitter raspberry, Gilda with carrot and ssam-jang, Chorizo with tonic, Marinated anchovy and strawberry

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出されたお料理やワインをつっかえすことは、若い頃から何度かありました。、一緒にミッシェラン星レストランに行く友人なんかは、ソムリエに「この方、美味しくないと何回でも突き返すから、気をつけてね」なんて、憎まれ口をききます(いや、そうじゃなくて、ソムリエに対する同情か?)。でも、何百ドル、何万という対価に見合う質のものを出してもらわねば、気が済みません。

逆に、低価格のレストランではそれなりの質で満足しなければ、いけないのに、チャイナタウンの格安レストランで偉そうに、細かいサービスを要求する下品な人がいます。TPOをわきまえよ〜ね。おっと、話が逸れました。

今回はそれほどおいしくもないし、シェフの意図がはずれてるのでは?と思った料理が2〜3あり、その内の2つはコメントを添えて、お返ししました。その最たる物が真ん中のデッシュ。これは塩でキュアしたラードとキャビアを合わせた物です。キャビアは大好きですが、これを口に含んだ時の不快感ったら!「ぐちゃあ、ぶよぶよ」という感じ。しかも塩分ばかり。

 

思わずウェイターを呼んで、「これ下げてください。味も食感もアウト」とばつマークをついつけてしまいました。それとワインのペアリングも余りうまく出来ていなかったのが、残念。というより、こういうテイスティングメニューはソムリエにとっても大変難しいはず。一口の料理で、しかも奇抜。なかなかビッタリと合うワインはみつかりません。

バスク独特の白ワイン、ツアッコリーナは地場ブドウのホンダルビ ズリから作りますが、地元のシーフードに良く合う辛口ワイン。大好きな飲み物ですが、ここの料理とはあまり合いませんでした。飲み物として美味しかったのは、元々好きなマデラ酒とシェリー。そして、前述した日本酒もお料理と良く合っていました。

 

さて、本日もムガリッツと並んで世界のトップレストランといわれているアルザックに予約を入れています。こちらはミッシェランから3つ星を貰っており、今年の世界のトップレストランのランキングでは8位。まあ、ワインもレストランも星付き、ランキングインなんていう他人が勝手につけた評価は全て信じてはいけません。ということで、こちらも期待に見合うか、、、行って来まあす。

 

 

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遊び心が高じると、こうなるという例をいくつか。まず、最初の木皿には(みえるかな?)ダックの顔が彫ってあります。その下の料理は、正にそのダックの首の皮を使った巻物。北京ダックのスペイン編とでもいいましょうか。ぱりっとした皮に、ふわふわの香草がくるんであります。

一つトンで、最後の料理の添え物は?そう!キャビアです。このキャビア、結構大盛りでしょう?実は、このお皿が出てくる前に、ウェイターが小石を3つ渡してくれます。彼も同じく3つ。そして二人が体の後ろに隠しながら石を持ちかえ、右手にいくつの石を握っているか当てっこをするのです。私が当ててゲームに勝ったので、キャビアがおまけされたという落ちです。

 

でも、ん?待った!そんなはずはない。だって、お客が負けたからといって、キャビアの量が減るはずは無いっ!勿論、その通り。これは単なるハウスゲームなのでした。

 

ところで、ソムリエにワインなどのペアリングを頼みましたが、イマイチ料理とぴったりと合った感じがしません。そこで、真ん中の料理(さやいんげんの天ぷら)が出て来た時に、ソムリエに「これは日本酒が一番合うから、持って来て」と注文。でてきたのは、私の好きな「真澄」の中でも、一番口当たりが良い純米吟醸! これ、ほんと、おいしかった。お陰でシンプルな料理が引き立ったこと。

ワインのプロとしては、ちょっとやばいコメントをしますが、日本酒って、ほんと、こういう食事に抜群にあう!
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ムガリッツの料理の特徴は、まず日本料理と見まごう「禅的」なプレゼンテーションと、食感を重視した一口料理。これが延々と続くので、友人のアメリカ人は「一度いったらもう良い。あれは料理ではなく、シェフの実験室、デモンストレーションだ」という人も。確かにコース全てを食べ終わっても、満腹感はありません。(代わりに満足感があれば、成功)

今回の料理の中で、気に入った物、或は説明をする価値のあるものをピックしました。まずは、この写真の料理、何だか分かりますか?題名は Vegetable tiles.  A handful of Highland grassと訳の分からない(要はイメージの題名で、内容が分からない)説明書き。クリーム風のふわふわした土台に花びらが飾ってあるのでで、お味は、、、うーん、クラムフレッシュをもっと柔らかくして、すこし甘みを足した感じ?

 

実はこの料理の主役は、添えてあるスプーンなのです。これは砂糖で作ってあります。試しにそっと嘗めてみるとシュガーケーン(サトウキビ)のお味。隣の席の方は、最初のひと口でスプーンを齧ってしまって、そのまま食べてしまい、ウェイターが新しいのを持って来る羽目に。

 

遊び心がある一品。というか、それぞれの料理が遊び心そのものなのです。

 

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ムガリッツ Mugariz @San Sebastian, Spain (2)

ムガリッツのソムリエ(写真)には、今晩のメニュー(こちらはシェフが作るテイスティングメニューのみ)に合わせて、スペイン産の飲み物をグラスでペアリングするよう注文。趣味は、分厚いワインリスト(を読み込むこと)を読むことで、「このワインリスト欲しいな〜!」と言いながら、写真を撮っていたら、ソムリエ曰く。「このワインリストは、毎年ムガリッツを3ヶ月閉めている時にじっくりと作成したものですよ」と。後でリストをE メールしてくれるとのことで、早速お食事開始。

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スペインのサンセバスチャンはグルメの宝庫 ー ムガリッツ

世界のトップ10というレストランランキングで、常にランクインするレストランがここサンセバスチャンにはいくつかあります。ムガリッツ(Mugariz)もその一つで、今年は6位。ミッシェランの星は2つ。

 

以前に一度立ち寄り、その奇抜な食感とクリーンな、まるで「禅」を思い起こすプレゼンテーションが面白く、今回も夕食に立ち寄りました。レストランはご覧の通り、ミッシェラン星がいくつか付いている建物の定番の「地味」で「シンプル」な作り。そして、店内もテーブル間のスペースはご覧の通りで、一人で夕食してもゆっくり寛げます。(勿論、それだけの値段が伴いますが、、、。)IMG_7903IMG_7890

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